【がきお物語 第4話】ワンオペ妻の気持ち

代表あおむし 代表あおむし

がきお物語 第4話

 

これは、仕事人間だった夫が心機一転イクメンをめざして奮闘するノンフィクション物語である。

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特殊な週末の過ごし方

 

今までのがきおは、週末も仕事に行ったり、家にいても書斎にこもっていた。

 

仕事に集中できるよう妻あおむしが外に子ども達を連れ出したりしていた。

 


 

その頃は、妻にとっては平日も休日も大差なかった。

 

どうせ夫の協力は見込めない。

 

ワンオペ育児はいつものこと。

 

平日も休日も、がきおは仕事、妻は家事育児担当なのだ。

 

別に、やさぐれていたとかではない。

 

妻は、夫が仕事に時間をとられるのは家族の為であると思っていた。

 

寝る間も惜しんで仕事人間に徹することによって、我々の暮らしは成り立っているのだと、心から思っていた。

 

 

妻も時代遅れだった

 

がきおの妻が時代遅れの『献身的に夫を支える妻』であった理由。

 

それは、妻の父が自営業者だったことにあると思う。

 

自営業の場合、仕事は自分で取ってこなければならない。

 

それができなければ家族全員が食っていけなくなる。

 

安定した職場や雇用関係などない。

 

「定時でおつかれさま」などない。

 

自営業者の生活は、仕事なのかプライベートなのかきっちり線引きできないのだ。

 

妻の母はもっとワンオペイヤー

 

妻あおむしの父は、商売が駆け出しの頃は平日はおろか休日すらほとんど家に居なかった。

 

妻あおむしが小さい頃、母親はやはりワンオペ育児だった。

 

その時代は、今よりもワンオペ当然の風潮が強かっただろう。

 

母の性格からすれば、心配をかけたくなくてたやすく親を頼らなかっただろう。

 

スマホもない時代、今のように気軽に連絡もとれなかっただろう。

 

それこそ今より断然ハードなワンオペぶりだったと思う。

 

母親からそんな幼少期の話を聞かされてきたおかげで、夫とは、妻とは、そういうものだと考えていた。

 

そしてワンオペ育児に別段疑問も感じていなかった。

 

昔を思い出して「一生ぶん働いた」と言う母を思うと、自分なぞまだまだワンオペレベルが低いとすら思っていた。

 

そんなわけで、ワンオペ育児が原因で夫婦喧嘩をしたこともなかった。

 

今思えば、まさに不幸中の幸いである。

 

生い立ちに、感謝。

 

 

うちは異常なのか?

 

しかし、そういえばーーー。

 

夫が週末書斎にこもる話を友人にしたとき、「家に居ながら一緒に過ごさないなんて、私は嫌だな」と言われた。

 

そのときあおむしは、「でもそれは家族の為で、遊んでいるわけじゃない」と言ったが、それでも友人に共感してもらえなかった。

 

そのとき、自分の感覚が他人と違うことに気づいたのをよく覚えている。

 

今思えば、ワンオペ育児をしていても苦に感じていなかった自分はマイノリティだったのかもしれない。

 

普通は苦に感じるだろう。

 

前回述べたむねお一家だって、これが原因で夫婦喧嘩が絶えず、行き着くところまで行きかけたのだ。

 

だから、「ワンオペ妻の辛さ」を、あおむしが代弁することはできないかもしれない。

 

せっかく仕事人間がイクメンに成長する物語を書いているというのに、ワンオペの辛さを語れないのは申し訳ない限りである。

 

こんなことならもっとケンカしておけばよかった。

 

 

ただ、時々思う。

 

たしかに、家事育児便利グッズが増えたり、子連れで行ける場所が増えたりして、今の時代のママは育児に関する身体的ストレスは減ったのかもしれない。

 

でもどうだろう。

 

本当に今の時代のママは楽になったのだろうか。

 

夫婦共働きが当たり前になった今の時代。

 

男性が家事育児に参加するようになった今の時代。

 

なのに、ワンオペ育児をしているママは相変わらず多いし、がきおのような仕事人間の夫も相変わらず多い。

 

ワンオペ育児が世間で当然だった昔より、ひとりぼっちな気がして心的ストレスが大きいのではないか?

 

周りはみんな夫婦で協力して育児をしているのに自分は…と比べて辛くなってしまうのではないか?

 

 

だけど、世間は言う。

 

「昔は大変だったけど、今はいいね」
「今の時代、旦那さんは協力的でいいね」

 

じゃあ、そんないい時代なのに、相変わらずワンオペ育児をしているママや、仕事人間をしているパパは、一体何を思うのだろうか。

 

つづく

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この記事を書いたママライター

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