【がきお物語 第3話】むねおとの出会い
がきお物語 第3話
これは仕事人間だった男が、心機一転イクメンを目指すノンフィクション物語である。
さて、前回はがきおの育メン10%ぷりについて語った。
【がきお物語 第2話】はコチラ>>>
今回は、そんながきおがどのような経緯でイクメンへの道を歩み出すことになったかについて書くことにする。
仕事人間だった理由
そもそも、がきおは常に、
「残業をなくしたい」
「プライベートの時間をもちたい」
「家族と時間を共有したい」
そう考えてはいた。
しかし具体的にどうすればいいのかわからず、結局残業漬けの毎日を送り続けていた。
自分のしたいことと、していることとのギャップを埋めることができないまま、毎日の暮らしに疲弊していた。
キーマンむねおの登場
そんなとき、がきおの妻あおむしが、ママオアシスのライター活動を始める。
そこで出会ったのが、(お待たせしました)むねおという男である。
むねおは、明るくてノリのいい、割とテキトーでポジティブな感じの男である。
むねおの妻に言わせれば「こいつのどこが明るいねん」と言いそうなのだが、他人から見ればこのようなイメージである。
一方、がきおはというと、実直でスレていない善良な男だが、慎重でまあまあネガティブな男。
これは、妻あおむしから見たがきおなので、他人から見たらまた違うのかもしれない。
そんな、まるで正反対の二人。
だが、妻あおむしは思った。
がきおが今求めているモノを、むねおは持っている、と。
そして、むねおから何かしら良い影響を受け、がきおの道が開けていくような気がした。
というのも、むねおは割と自由な働き方をしている。
それは、がきおが理想としている働き方に近いものがあったのだ。
むねおは夫婦で自営業しており、家事や育児は夫婦で分担、というか本当に協力してやっている。
なんでも夕飯は必ず17時に家族みんなで食べるのが家族の決まりらしい。
それはいささか早すぎるのでは、とは思うが、がきおが理想とする生活と似ている。
定時で退社し、家族で夕飯を囲み、その後は自己研鑽の時間とする、そんな働き方である。
むねおは、まさにがきおの理想を体現した生活をしている男であった。
むねおも実は
ただ、むねおも最初からそんな生活をしていたわけではなかった。
なんと、以前はがきおと同じく仕事人間だったというのだ。
朝早くから夜遅くまで仕事や付き合いの飲みで、午前様は日常茶飯事。
そのような生活だから、家事育児は妻に任せきり。
当時専業主婦だった妻とのいさかいも絶えず、行きつくところまで行きかけたという。
むねおは、ママオアシスの他に、ぱぱてらすという団体を運営している。
ぱぱてらすとは、月に一度、パパによるパパのための時間を提供する場。
ひらたく言えば、パパが子どもと遊び、それを通じてパパ同士の交流を深めることのできる「パパ友作りの場」だ。
あおむしは、さっそくがきおをぱぱてらすに連れて行き、がきおとむねおを鉢合わせた。
くしくも二人は同い年であった。
がきおとむねおの化学反応
二人は後日、男同士のティータイムの機会を設けた。
何を話したのか、妻は詳しくは聞いていない。
ただ一つ言えるのは、妻の思惑通り、何かしらの良い影響を受けて帰ってきたということである。
がきおから、「むねおに会わせてくれてありがとう」と言われたことだけは覚えている。
仕事人間で、家族との時間がとれなかった男二人。
そこから一念発起して転職し、家族で夕飯を囲んでいるむねお。
どうしたらいいのか分からず、深夜に一人飯を食らうがきお。
がきおは、むねおと出会い、改めて大切なことに気づいた。
それは、今の状況を変えるのは他でもない自分だということ。