【がきお物語 第9話】あの人も、ワンオペ育児をしていた
がきお、ワンオペ仲間を発見
この物語は、仕事人間だった男が心機一転イクメンをめざすノンフィクション物語である。
キャンペーンに申し込んだがきお
がきおは今、あるキャンペーンに参加している。
夫婦会議で決めたワンオペ育児体験キャンペーンだ。
それすなわち、毎週土曜に妻は家を空け、その間がきおが2人の子どもとの時間を楽しむというものだ。
このキャンペーンの狙いは、普段妻がしているワンオペ育児を身をもって体験するところにある。
もっとも、がきおは料理が一切できない。
だからごはんについては、妻が用意しておいてくれる。
この点は本キャンペーンで浮き彫りになった今後の課題である。
やはり1品も作れないのは人としてどうかと思う。
ワンオペ育児体験キャンぺーンはあと1ヶ月で終わるが、次は最低限の料理はできる父親になろうキャンペーンでも企画する必要がありそうだ。
一人じゃない〜♪
それはさておき、タイムリーにもこんな新聞記事を見つけた。
がきおと同じく、ワンオペ育児体験キャンペーンに参加した男がいるというのである。
それは、三重県の鈴木英敬(えいけい)知事だ。
(日本経済新聞平成30年4月24日夕刊)
鈴木氏は、東大卒の元官僚というエリート出身。
そんな彼が、奥様が仕事で不在の日曜日に、1人で1日中育児と家事を担った経験があるというのだ。
子どもは5歳の息子と1歳の娘。(おお!子どもの年齢層同じくらい!)
ごはんは料理ができないので奥様が作り置いてくれた。(それも同じ!)
ちなみに鈴木知事の奥様は、シンクロナイズドスイミング五輪メダリストの武田美保さんだ。(…そこが大きな違い。)
ワンオペは精神的に辛い
鈴木氏はそのときのことを、とにかくめちゃくちゃ大変だったと語っている。
自分がトイレに行く時間すらないこと。
昼寝をさせすぎて、子どもが夜なかなか寝なかったこと。
夕飯を食べさせすぎたせいで、夜中に爆弾ウンチが出て子どもが泣き出したこと…
彼は、一日でワンオペ育児の大変さを痛感したと言う。
いろいろなことが同時に気になったり不安になったりしながら、育児と家事をまわさなければならない…
ワンオペ育児は物理的に大変なだけでなく、精神的な負荷もかなり大きいと痛感したそうだ。
「俺」はどこまでできるのか
さらに、ワンオペ育児の大変さは、体験しないとわからないとも言っている。
家事や育児は、ひとつひとつをこなせば済む問題ではない。
1日トータルで見て、うまくまわるよう調整せねばならないのだ。
昼寝はこれくらいで切り上げるとか、ごはんは何時にどれくらい与えるとか、子どもがごはんを食べている間に風呂の準備をするとか、母親はいつもそういう調整をしている。
「俺がオムツを替えた」
「俺が子どもを風呂に入れた」
「子どもを寝かせたのは俺」
そんな「俺」は、1日トータルで家事・育児をこなすことができるだろうか?
あなたの家でも、妻なしで一日を過ごすキャンペーンをすることをおすすめしたい。
丸一日子どもと過ごしてわかることがきっとあるはずだ。
つづく