【がきお物語 第12話】いい夫婦ってどんな夫婦?
仕事人間だった男・がきおは、ひょんなことから心機一転イクメンを目指すようになる。
「がきお物語」とは、そんな夫の姿を妻あおむしが綴るノンフィクション物語だ。
がきおの妻あおむしは、最近家事をしながらYouTubeで音楽を聴いている。
すると、なんとも懐かしい曲が流れてきたので思わず手を止めた。
これは私たちが結婚式で使ったミスチルの曲じゃないか。
この曲、メロディもさることながら歌詞が素晴らしいのだ。
知らぬ間に増えていった荷物も
まだなんとか背負っていけるから
君の分まで持つよ
だからそばにいてよ
それだけで心は軽くなる
「GIFT」より
いい歌詞だと思いませんか?
「お互い何かと大変やけど、ふたりなら分かち合える」的な。
こんな夫婦になりたい!
結婚式には絶対この曲を使おう!
まだ具体的な相手もいないのにそう心に決めた若かりし日の自分を思い出した。
ひとりよりふたりでいるほうがいいだなんて、ベタだけど素敵な言葉だ。
もっとも、背負っている荷物が借金の場合は話が別である。
自分にも借金があるのに好いた相手の借金の連帯保証人に名乗り出ようとする奴は、全力で止めてあげるべきだ。
さらにこの曲はこう続く。
降り注ぐ日差しがあって
だからこそ日陰もあって
そのすべてが意味を持って
互いを讃えているのなら
もうどんな場所にいても
光を感じれるよ
もうほんと、桜井さんはなんていいこと言うんでしょう。
「いいことも悪いこともふたりで受け止めていこや」的なね。
ちなみに往年のイケメン俳優「杉様」こと杉良太郎も似たようなことを言っている。
人生楽ありゃ苦もあるさ
涙のあとには虹も出る
歩いてゆくんだしっかりと
自分の道をふみしめて
「ああ人生に涙あり」より
久しぶりに結婚式のときのDVDを出して観てみた。
プロフィールムービーの中で、「どんな夫婦になりたい?」という質問に「言葉を尽くして話し合う」と答える当時の自分たちが映っていた。
あーそんなこと考えてたんやなーと思いつつ、やはりそれは大事だと今でも思う。
その日帰宅したがきおにその話をしようとすると、彼は冷凍ごはんを出してきてチンしようとしているではないか。
「炊飯器に炊きたてのごはんあるから!」と慌てて阻止すると、「先入れ先出しの方がいいかと思って」とつぶやくがきお。
冷凍ごはんは少しだけごはんが欲しいというときに置いておきたいのだ。
炊きたてのごはんがあるときにはそっちを優先して食べてほしいのだ。
「先入れ先出し法とかくだらん理屈いらんから。冷凍ご飯の存在意義考えたらわかるやん」
そう言ってから思った。
私が冷凍ご飯をいかように取り扱っているのかについて、がきおが把握しているはずがない。
「普通こうでしょ」というのは自分だけのモノサシであって、他人には通用しないのだ。
やはり、言葉を尽くして話し合うことは重要だ。
今日は11月22日、いい夫婦の日。
お互いにとって「いい夫婦」とはどんな夫婦なのか、酒でも飲みながらふたりで話し合ってみてはいかがだろうか。