母親失格? それでも私は一人旅に出た! 2児の母、3泊5日アメリカ旅行!【vol.3】

第3章 姑、宇宙へ行く
チケットを取ったその瞬間から、計画は現実に
チケットを取ってしまった以上、もう後戻りはできない。
まず、私が相談したのは母です。
アメリカへ行っている間、息子たちのお世話をお願いできないかと。
すると母は、少しも迷わず「いいわよ」と回答。
…神!!

ただし、ひとつ条件があると言うのです。
「子どもたち、元気すぎるでしょ? 私ひとりだと自信ないわ」
確かにそうだ。 母も夫には期待していない様子。
それに、ばあばに3日間のワンオペは酷というもの。
「だからね、あなたの旦那のお母さんにもちょっと応援頼めない?」
うーん、なるほど。 やはり、姑ミッション発生です。
姑との話し合い
姑にはどこまで頼っていいのか? どんな言い方なら角がたたないか。
「母親なのに」という空気をどうやって避ければいいのか、いろいろ考えながら私は意を決して姑のもとへ行きました。

「私、数日間アメリカへ行くんです。 その間、朝と夜だけでいいので、息子たちのお世話をお願いできませんか?」
「お昼は学校と幼稚園があるので、その間は何もしなくて大丈夫です」
「食事も全部こちらで用意します。朝晩の食事の給仕と、見守りだけで大丈夫です」
実際、朝と晩だけのお世話で済むように、藤井風の北米ツアーのチケットもあえて平日を選びました。
学校と幼稚園がある日なら、日中の負担はかからない。
そこまで考えたうえでのお願いなので、我ながら条件はかなり控えめのはず。

姑は少し考えてから「別に、構わないけど…」と言いました。
よし、いける!と思った、その次。
「ところで、アメリカには仕事で行くの?」
私は潔く、「息抜きです」と答えました。
その瞬間、姑の思考回路がピタッと止まったように見えます。
「え?」 という顔のまま、数秒間フリーズ。
姑の目は開いているのに、魂がどこにもなく、完全に宇宙の彼方へ旅立っていました。

母親は我慢して当たり前だった、かつての時代
ママが息抜きで海外旅行に行く。という概念が、姑の中には存在しなかったのかもしれません。
子育ては我慢して当たり前、母親は自分のことは後回し。
そんな時代をまっすぐ生きてきた人なのだと思います。

それに、大抵の人は息抜きで海外旅行なんて概念はないだろう…
私もたまたま行き先がアメリカになっただけです。
昭和の時代を生きてきた姑が、引きつった笑顔でこう言いました。
「そう… お友だちと行くの?」
「いえ、ひとりです」
姑は今度は言葉を失ったままもう一度、静かに宇宙へ旅立たれました。

女性がひとり旅に出るのは普通じゃない!?
きっと、姑の頭の中には色んな考えが浮かんだのだと思います。
子どもを置いてまで女ひとりでアメリカ旅行? 何が楽しくて一人旅? 本当にひとり? …もしかして〇倫?
そこまで想像が飛んでしまっても、無理はなかったのかもしれません。
そして姑は、戻って来たあと全てを飲み込んだ様子で一言。
「…楽しんで来てね」

姑は本当にやさしい人です。
私は恵まれています。
アメリカ行き実現まで、あと一歩
このあと私は、できる限りの準備をしてから出発することになります。
5日分の食事、子どもたちの持ち物、家のことも。
「ここまではやっておきたいな」と思うところまで、準備をすすめます。

だって、こどもを置いてひとり旅に出るのだから。
さあ! 次、落とすのは――夫だ。
【vol.4】へつづく
