歌舞伎がおもしろい~京都・南座~

皆さま、こんにちは!ママオアシス研修生のアキラです。
私は留学に興味があるのですが、海外で生活している方のSNSアカウントを見ていると、必ずと言っていいほど耳にする言葉があります。
それはすなわち、
「日本の文化をよく勉強してから海外に行こう」
ということです。
考えてみると、たしかに私はそこまで日本に詳しくないかもしれない…
ならば勉強してみよう。何事も経験だ!
と思い立ち、先日、京都の南座にて歌舞伎を鑑賞してきました!
幼い頃に一度だけ見に行った歌舞伎。その頃のことは記憶の彼方へ消え去ってしまいました…今回はしっかり見るぞ。
見てきた公演は、『市川團十郎特別公演』夜の部『Invitation to KABUKI 歌舞伎の世界』です。
今回はこちらの公演の面白かったところをレポしていきたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください!
ちなみに、こちらの公演を選んだのは、京都で上演されているため行きやすいということ、そして、筆者の好きなドラマ『古畑任三郎』に登場した『義経千本桜』が含まれていたという理由からです(なんじゃそりゃ)。
3階の3列目中央右寄りの席で、眺めはこのような感じでした。

花道はそこまで見えず、スッポン(せり上がり)がちょうど見えるくらいの視界でしたが、とても綺麗に見えました!
一、義経千本桜 鳥居前
「兄頼朝から謀反の疑いをかけられ都落ちしようとする源義経一行のもとに、愛妾の静御前がやってきます。義経は静の同道を許さず、”初音の鼓”を自らの形見として静に預けます。一人残され追手に捕らわれそうになった静は、家臣の佐藤忠信に助けられます。義経から静の守護を頼まれた忠信ですが、その姿はどこか不思議な雰囲気を漂わせるのでした」(チラシより抜粋)
前述の通り筆者は古畑任三郎ファンなので、『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』という題名を見た時点で嬉しくなってしまいました。
拍子木の音に続いて幕が一気に下に落とされると、明るい照明に鮮やかな色合いの舞台と役者たちが視界に飛び込んできました。
左隣の席の方が思わず「おお~」と声を漏らす豪華絢爛ぶり。
役者の動きに合わせたツケ(ツケ板という板に拍子木を打ちつけて音を出す)が軽やかに響き渡り、3階席でもとても大きな音に聞こえました。上手側でツケを打っていたため、「これは上手の前方に座ったら耳が壊れてしまうのでは…」などと要らぬ心配を。
義経役の中村虎之介さんが本当に聞きやすい声で素敵でした。

二、英執着獅子
続いては『英執着獅子(はなぶさしゅうじゃくじし)』。
恋人に思いをはせる傾城(けいせい、位の高い遊女のこと)の舞をじっくり楽しめる演目です。
蝶を追う姿や獅子を模した扇を両手に持って舞う姿が美しく、中村米吉さんの作り出す空気が印象的でした。
後半は獅子の精となり、豪快な毛振りを披露してくれました!これが見たかったのだ…
前半と後半で舞台がガラッと変わり、室内の場面から岩肌や滝が荒々しい屋外の場面へと転換するのも面白いポイントです。
筆者はこの演目から音声ガイド(800円)を利用していたのですが、長唄の内容も分かりやすく、衣装への言及もあったり、豆知識を得られたりと、良い事ばかりでした。
ちなみに、この演目で得た豆知識は、「奴の差し金か!」などという時の「差し金」という言葉の語源についてです。
傾城が蝶を追う場面で、「差し金」という棒に蝶をつけて操るのですが、これが一般的に使われるようになったのですね。勉強になります。

三、歌舞伎十八番の内『七つ面』
三つめは『七つ面(ななつめん)』です。
「壇の浦での平家討伐を祝して、源範頼が宴を行うため、その余興にと元興寺赤右衛門が七つ面を使った舞を披露することになります。見事な舞を見せる赤右衛門ですが、その本性は平家の残党悪七兵衛景清であることを明かすと…」(チラシより抜粋)
他人に成りすまして宿敵の余興に乗り込んでいったということですね。筆者にとってはこの演目が一番楽しかったです。
なにより、悪七兵衛景清役・中村虎之介さんの舞が超絶技巧で度肝を抜かれます。
面によって翁や若い女性、ひょうきんな人物など、いくつもの人格を演じることとなり、非常に役者としての技量が試されそうです。
また、回転しながら後ろを向いた瞬間に一瞬で面を入れ替え、また正面を向く。これを繰り返し客席を大いに沸かせていました。面の付け替えがあまりに速いので、右隣の席の方は「大変や~」と呟いておられました。
左右共に素敵なお客様に挟まれ、筆者は幸せなのでした。
さらに、後半の豹変ぶりも目を見張るものがありました。
悪七兵衛景清は、登場時は白く塗っただけのお顔で、青っぽい爽やかな衣装を身にまとっていましたが、正体を現す時に一瞬にして衣装が黒と金に変わり、いつの間にか隈取ができていました。これは一体どういうことだ…?
四、ご挨拶
その次は、市川團十郎さんの息子である、市川新之助さんのご挨拶でした。
お客さんが実際に籠に乗ったり、舞台上のせり上がりを体験したりするコーナーもあり、歌舞伎についてもっと知ってもらいたいという思いが伝わってきました。

こちらのコーナーでも新たな発見がありまして、「相棒」という言葉は籠を持つ人からきているのだそうです。
籠を担ぐときに二人で棒の両端を持つわけですが、自分と反対側の部分を持つ人を「相棒」と呼ぶのです。この言葉が様々な場面に浸透していったのですね。面白い。
五、荒事 大力天無双
最後は『荒事 大力天無双(あらごと だいりきてんのむそう)』で、お待ちかね、市川團十郎さんの登場です。
なんと團十郎さんが舞台上で化粧をし衣装・かつらをつけるところから始まるこの演目。
人間を滅ぼそうとする龍王とその眷属たちの暗い場面がとても格好良く、それまでの明るい照明で照らされた舞台とは異なる印象を受けました。
何より衝撃を受けたのは、役者が途中で入れ替わり、別の役として全く違う所から再登場することです。
團十郎さんが龍王を演じていたと思ったら、知らぬ間に別の人に入れ替わっており、團十郎さんは勇者の姿となって龍王を倒すべく花道から現れるのです。
本当に歌舞伎の謎は深まるばかり。
おわりに
16時に始まり19時半頃終了したこちらの公演、とても楽しめました!
月も出て美しい風情です。

南座ではお弁当やお菓子も販売されていますし、小道具に触れられるコーナーも用意されていました。何より内装が美しいので、館内を歩き回ってみてください。
歌舞伎の文化がこの先も永く続きますように。
