ミニシアターのすすめ〜関西~

アキラ

 

皆さま、こんにちは!ママオアシス研修生のアキラです。

 

私にはある悩みがあります…

暇さえあればスマホをジロジロ…SNSアプリを散々見て、閉じたと思ったらまた開く…

 

こんな生活を続けた結果、本が読めなくなってしまったのです。

 

興味のある本はたくさんあるのに、表紙の写真やレビュー画面をスクショして端末に貯めるだけで実際には読めないという、いわば「撮り貯め読」の状態に。

 

私と同じような症状に悩む方は多いのではないでしょうか?

 

映画館は現代病の薬

「ドーパミン中毒」という言葉をよく耳にします。SNSやショート動画などを見続けたりして、脳に強い刺激を与え続けることが日常茶飯事になった結果、根気のいる作業ができなくなる。これは現代病であって、避けがたいものですよね。

 

そこで、「映画館に行く」というのが、一つのお薬になってくれるような気がするわけです。映画館で席に座って、スマホの電源も切って、ただ目の前のことに集中する。それだけで充実感があります。

 

さらに、映画を観た後でその内容を反芻することで、自分の中の引き出しが増えたり整理されたりするという、素晴らしいおまけもついてくることがあります。

 

社会問題に関心のある方にもおすすめです。

 

これなら本を読めなくても知らない世界について学ぶことができる!と感じていただけるのではないでしょうか。

 

「でも、興味のある映画となかなか出会えないから…」とお考えの方もいらっしゃるかも知れません。

 

そんな方に伝えたい。

映画館の選択肢は、無数にあるんです!

 

この記事では、いわゆる「メジャー」どころではない作品と出会えるミニシアターを紹介するほか、筆者が最近観た映画について書きたいと思います。

また、末尾にはぜひ行ってみてほしい映画館を記しておきます。

 

最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 

大阪・十三のミニシアター

大阪・阪急十三駅から徒歩約3分。巨大なボウリングピンが目印。栄町商店街のサンポードシティビル6階に第七藝術劇場、5階にシアターセブンと、二つのミニシアターがあるのをご存じでしょうか?

 

こちらの映画館では、シネコン(シネマコンプレックス、すなわち一つの施設内に多くのスクリーンをもつ大型映画館)では観ることのできないインディペンデント系映画などが上映されています。

 

2026年10月29日現在上映されているものをいくつか抜粋しますと、

 

 

・男女平等のために戦うアイスランドの女性たちについての映画『女性の休日』

 

・若年層農家の4年間を記録した『百姓、わらう。』

 

・米軍ヘリの問題に迫った『東京上空300メートル』

 

・イスラエル首相ネタニヤフを追った『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』

 

 

などが挙げられます。

 

ドキュメンタリー作品が強みな印象がある映画館ですが、他にも色とりどりの作品が上映されていますよ!

 

筆者は最近2つの映画を観ました。ネタバレにご注意ください!

 

濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』@第七藝術劇場

 

『ドライブ・マイ・カー』がカンヌ国際映画祭で、『悪は存在しない』がヴェネツィア国際映画祭で受賞している濱口竜介監督の最新作『急に具合が悪くなる』。

 

介護施設のディレクター、マリー=ルーは、入居者を人間らしく扱うことを主眼とする技術「ユマニチュード」を導入し、施設を生まれ変わらせようと奮闘しています。しかし、職員が辞めていったり、資金がなかったり、ユマニチュードに反対する職員との関係に悩まされたりと、悩みが尽きません。そんな中、癌を抱える舞台演出家の森崎真理と出会い、急速に仲を深めていきます。

 

この映画は、マリー=ルーが真理と会話を重ねながら世界の構造的問題について考え、解決策を見出そうとする過程を描いた物語である、という風に私は見ました。

 

とくに好きな場面は、「施設での職を辞して自分の施設を作り、そこで納得のいく介護をしていきたい」と言って辞めていった職員のことを語るマリー=ルーに真理が掛けた言葉。

 

”自分の小さな楽園を作って生きていくのも幸せだが、あなたは一人で幸せになれる人ではない”

(一言一句同じではありませんが…大体こういう意味の台詞でした)

 

「構造に問題がある時、それを解決に近づけ、大勢が幸せになれるように動くのがあなたという人だよね」

というメッセージだと捉えられると思います。

 

介護施設内に存在する、少ない資金と職員で、機械的に、入居者を人間扱いせずに、ただ施設を「回す」という構造的な問題を解決したい。それでも、すべてを望みどおりに整えることはできない。折り合いを付けながら、落としどころを探して前進していくしかない。

 

現実と戦いながら、皆が幸せになれる社会を求める人生が描かれていると感じました。

 

筆者自身も構造的問題に関心のあるタイプなので、映画を観ながら「私向きのテーマだ!」と興奮していました。

 

現在(2026年10月29日)も上映している映画館がありますので、ぜひ行ってみてください!

 

パク・ジュンホ監督『3670』@シアターセブン

 

2つ目はパク・ジュンホ監督の『3670』です。こちらは韓国映画で、第5回アジアンクィア映画祭にて紹介されていたものが、この度いくつかの映画館で上映されることとなりました。

 

本作は、ゲイ、そして脱北者という交差するマイノリティ性を持つ主人公・チョルジュンが、韓国のゲイコミュニティに入り、様々な人と関係を深めていく様子を描いています。

 

私が心を奪われたのは、新入りのチョルジュンを明るく導いてくれる、ヨンジュンという人物です。

 

彼は社交的で皆から好かれていますが、自分に自信がなく(パンフレットによると)回避傾向があります。周りからの評価と自己評価が食い違っており、思ってもいないことを言って強がったり突き放したりしてしまうキャラクターだと筆者は感じました。この性質のせいで苦みのある終わりを迎えることとなるのですが…本当に素晴らしいお芝居でした。

 

ヨンジュンを演じたキム・ヒョンモクさんは2025年の全州国際映画祭で俳優賞を受賞されたそうですが、あれだけ素晴らしければ当然だよね!と思います。

 

また、この作品についてのYouTube感想動画を観ると、ゲイコミュニティあるあるが非常に巧みに描かれているということが分かりました。

 

新入りとしてコミュニティに入っていく難しさ、曖昧になる友情と恋情、自分が導いてあげる立場だと思っていた新入りが急速に成長したことによる焦り。

 

さらに、就職活動における困難やキリスト教との繋がりなど、韓国社会を語る時によく取り上げられるテーマも盛り込まれています。おすすめです。

 

大阪・九条のミニシアター

 

続いては、大阪・九条のミニシアター、シネ・ヌーヴォ(およびシネ・ヌーヴォX)をご紹介します。

 

筆者はよくJR大正駅から徒歩で行っていますが、阪神と地下鉄の九条駅からが近いです。

 

チェコ映画からフランスのアニメーション、中国のドキュメンタリー、さらには角川映画まで、幅広い作品を見ることができます。2026年10月29日現在は「IDEインド大映画祭2026」を開催中です。

また、「ピアノーヴォ」という、生演奏付きの上映会も開催されています。

 

半地下の不思議なたたずまいで、内も外も本当に美しい…

 

▲こちらはシネ・ヌーヴォの客席

 

私がこの映画館で観た中で記憶に残っているのは、こちらの作品です。

 

ハ・ミョンミ監督『済州島四・三事件 ハラン』@シネ・ヌーヴォX

2013年に済州島に移住したというハ・ミョンミ監督の長編第2作『済州島四・三事件 ハラン』。

 

済州島は旅行先として人気の観光地ですが、歴史を直視せずにその土地を楽しむことはできません。

 

1948年、かつてはひとつながりであった朝鮮半島が分断され、南側の大韓民国樹立が宣言された年。

統一された国の成立を望む市民たちが、南半分のみで選挙を行うことに対して反対運動を始めました。

 

しかし、アメリカ軍政庁や韓国軍、警察などの公権力がこれらの運動を弾圧。

 

済州島の市民たちも「共産主義者」のレッテルを貼られて虐殺されたのです。

 

この映画では、母と少女が済州島の山の中で軍隊から逃げ惑う姿が描かれており、本当に胸が痛かったです。

 

それでも私は、朝鮮半島に多大な被害を与え、分断される原因を作った日本という国の主権者として、この映画を観る必要があったと考えています。

 

隣国の歴史を知れる良い映画です。ぜひ観てほしいです。

 

京都・烏丸のミニシアター

最後は、京都・烏丸のミニシアター、京都シネマです。

 

洋画からドキュメンタリーまで、幅広い上映内容です。きょうとシネマクラブという企画上映会も実施されています。

 

観てきたのはこちら。

 

ターセム監督『落下の王国』@京都シネマ

2008年に日本で公開された、ターセム監督『落下の王国』(原題は『THE FALL』)が4Kデジタルリマスターで帰ってきました。

世界遺産13か所を含む24か国もの土地で撮影された、美術館に飾るべき映像作品です。

 

筆者はその当時小学生だったのですが、昔の映画を観られるのもミニシアターの良い所ですね。

 

実はこの映画を観たのは京都シネマが初めてではありませんでした。

テアトル梅田、キノシネマ心斎橋などでも観たのですが、もう一度見たくて仕方がなかったのです!

 

入った瞬間目に飛び込んでくるポスターたち…

 

 

この物語を簡単にまとめると、人生に希望を失った青年が少女を操るために作り話を聞かせる物語です。現実とファンタジーの世界が入り混じり、噓の作り話であったはずのものが人生を再び輝かせるという、美しい構成になっています。

 

初めは「アートが炸裂する一風変わった映画なのだろう…」と思いながら観ていましたが、「なぜ人は物語を語るのか」というテーマが見えた時から、もっと分かりやすく純粋な面のある作品だと感じるようになりました。

 

画面のすべてが洗練されており、全ショットを葉書にして配ってほしいと感じるほど素晴らしかったです。

 

もし今後どこかの映画館で観られる機会がありましたら、ぜひ逃さずに掴んでください!

 

おすすめの映画館in関西

 

ミニシアターで上映されている作品に興味を持っていただけましたでしょうか?

 

「興味はあるけれど、どこを探せばよいのか分からない」という方のために、筆者が行ったことのある、もしくは行ってみたい関西の映画館を最後にご紹介したいと思います。

 

お気に入りの映画館

・元町映画館(兵庫)

中華街のすぐ近くです。筆者はここでワン・ビン監督の『青春-苦- 』という、中国・織里で働く労働者のドキュメンタリー作品を観ました。整理券制度が残っています。

 

・シネ・ピピア(兵庫)

宝塚映画祭で小田香監督作品を鑑賞。低音が本格的に響きます。ちなみにこの時筆者が観た『Underground』が、2026年10月31日よりシネ・ヌーヴォで公開されます。

 

・出町座(京都)

桝形商店街にある映画館。『無名の人生』、『ひゃくえむ。』などを鑑賞。内装も綺麗ですし、置いてある書籍も興味深いです。

 

・テアトル梅田(大阪)

洋画やアート系に強い印象ですが、その他のジャンルも上映されています。前述の『落下の王国』の他、『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』や『ドイツ零年』などを観ました。

 

気になる映画館

土間シネマ(大阪)

塚口サンサン劇場(兵庫)

尾花deキネマ(奈良)

パルシネマしんこうえん(兵庫)

扇町キネマ(大阪)

 

これだけ候補があれば、皆さんのご関心に合う映画も見つけられるはずです。

 

皆さんが私の映画館巡りの仲間になってくださり、学びある、あるいは、ただ純粋に楽しい映画鑑賞生活を送ってくださいましたら、これほど嬉しいことはありません。

 

ぜひ映画館サイトをチェックしてみてくださいね!

この記事を書いたメンバー

コメントもらえると喜びます

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

関連記事